半導体製造装置の洗浄装置分野でトップベンダーのSCREENセミコンダクターソリューションズ(DNS)が、滋賀大学とデータサイエンス分野における連携・協力協定を締結したとのリリースを目にしました。同社とデータサイエンス学部を設置した滋賀大学は、データサイエンス分野における相互人材育成や共同研究を行うとのことで、データサイエンス分野の専門人材の育成に取り組むとともに、DNSが手掛ける、半導体製造における洗浄、塗布、直接描画、熱処理、検査分野における装置開発や製造過程で得られるデータを分析し、製造プロセスの改善を目的とした共同研究を行うとのことです。元々、半導体製造産業は、データの宝庫で、古くから統計処理による生産管理を活用していますが、近年、IoTや高性能センサー・通信デバイスの普及により、半導体製造装置から得られるビックデータを活用して、さらなる品質向上や業務改善が可能になると期待されています。また、昨今、よく話題にあがる、深層学習のテクノロジープロバイダーであるプリファードネットワークスは、DNSと同様、半導体製造装置のトップベンダーである東京エレクトロン(TEL)より、子会社を通じて約2億円の出資を受けたことを、既にリリースしており、TELとは半導体製造分野において最適化・自動化などをテーマに、深層学習技術を用いた共同研究をすでに開始していることを明らかにしております。
こうした半導体産業におけるAIを含むデータサイエンスやプロセシングを巡る、研究機関やITベンダーとの異業種アライアンスの範囲は、エレクトロニクスやデバイスベンダーが主流でしたが、今後は今回の例のように装置ベンダーを含めた上流企業にも、急速に拡大し、今後5-10年で、半導体産業を変革してゆくと期待されます。
<参照リリース>
SCREENセミコンダクターソリューションズhttps://www.screen.co.jp/spe/information/SPE181204.html
プリファードネットワークス
https://www.preferred-networks.jp/ja/news/pr20181726