内閣府と経済産業省の主導により、「分野間データ連携基盤」と呼ばれるシステムを2020年に立ち上げる計画が報道されております。目的は、企業や行政機関が持つビックデータを集約し、誰もが利用できるデータベース基盤を構築し、異業種間でのデータの利用交換が容易に可能することで、ビックデータ利用によるイノベーションを加速させることにあるようです。日本は、欧米諸国に比べて、こうしたデータベースの共同活動が遅れており、そのためのデータ形式の統一化や管理などの統一ルール作りが急がれており、日本政府の未来投資戦略においても、”行政機関や企業間に散財するデータをすべて連携することを目指す”ことが唱えられています。
内閣府より、”分野間データ連携基盤の整備に向けた方針案”がリリースされておりますので、関心のある方は参照頂きたいのですが、私が注目したのは、分野間データ連携基盤の利活用が促進されるルールや仕組みの整備として、「データ品質の基準策定」と「データ提供者・利用者の評価」に対する制度整備が盛り込まれている点です。そこでは、データ利用者は、データの完全性、正確性、有用性、最新性等の品質を正確に知る必要があり、データそ のものを入手する前にデータ品質を知りたいというニーズに答えるため、評価の基準づくりの整備の必要性が指摘されております。さらに、”データの提供/利用が安心して実施されるためには、データ提供者・利用者の信用度等の評価基準や評価方法を整備し、個々のデータ提供者・利用者が望んだ場合には、これら評価基準や方法を活用し、データを提供/ 利用する対象を選定するための指標を提供する必要がある”と述べられています。この趣旨は、このブログでも、さまざまな話題として指摘しましたが、データ駆動社会に向けたデータ品質の管理や提供者の評価への課題を包括していると考えられます。また、今回のデータ連携基盤の確立は、データの提供者と利用者が相互に評価する仕組みや質の悪いデータ登録や不正な利用を防ぐことも念頭にあるようです。今後、こうしたデータ品質保証や公正に関する姿勢は、業界を問わず、広く認知されていくと考えられます。